~21章~

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「はっ!?なんで…課長がメイク…」 驚くのも無理ないか。 まさか、課長がメイクしてるなんて、想像もしてなかったんだろうから。 「お~い、新人君。プロモ撮影始めるから、見物するなら静かにね」 周防さんの声で一瞬にしてスタジオがシンと静まり返る。 目を閉じてるから表情が見えるわけじゃないけど、紺野君は驚いた顔してるに違いないだろう。 あの、ニヤニヤ顔で見られるよりかは遥かにいい。 それと同時に翔さんはメイクをし始める。 毎回思うんだけど、顔に触れるこの人の手は魔法の手だと思う。 変身させることもそうだけど、触れられるだけで、心地よくて、不安な気持ちなんかどこかへいってしまうんだから… ルージュを塗り、手は目元へいく。 誰も入ることができないこの空間が、あまりに心地よく、撮影のことなんてもう頭になくて… メイクが終わり、耳元に翔さんを感じ、囁かれる言葉によって昨日のことを思い出した。 .
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