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「あらら、新人君は何かご立腹のようだね?眉間に皺(しわ)できてるよ。
あっ、小百合ちゃんがモデルってことも、翔がメイクしてることも教えてもらってなかったから怒ってるんだ」
「…」
クスクスと笑いながら紺野君に近づいていく。
その声に反応した翔さんは口を開き、
「紺野、どうした?さっきまで楽しみにしてるって言ってたじゃないか。
もう、後悔してるのか?
無理してここにいることない。
嫌なら部署に戻ってていいぞ」
顔は笑っているけど、相変わらず低い声で尋ねている。
「別に…してませんから。
それに、課長がメイクすることは知りませんでしたが、小百合先輩がモデルってことは、ご本人から聞いてたんで知ってましたよ」
最悪……
今まで彼が何も言わずにいたのは、この日を待っていたから…
さっきまでの表情は一変し、笑顔で翔さんを見ている。
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