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悔しい…
平気で嘘ついて堂々としている彼に対してもだけど、翔さんに正直に言わなかった自分が1番許せない。
申し訳なくて俯いていると、頭上からクスッと笑い声。
パッと顔を上げるとやっぱり笑っていて…
なんで笑ってるの…
「課長、笑ってないで何か言って下さいよ。
まぁ、笑いたくなる気持ちわからなくはないですけどね。
真実だろうと嘘だろうと、小百合先輩が課長を裏切ったことには違いないんですから」
そっか…
私に呆れて笑ってるんだ…
自業自得だよね。
自分が悪いんだから涙なんか出しちゃいけない。
そうは思うけど、翔さんの気持ち考えると申し訳なくて目に溜まってくる。
「おい!新人、小百合ちゃんが翔を裏切るなんてことあるわけないだろ。
出鱈目もいい加減に…」
「薫、撮影始めるから準備してくれ」
周防さんの言葉を遮り、翔さんの口からでできた言葉は、まさかの撮影再開だった。
この状態の中、撮影再開するの!?
翔さんが何考えてるのか、わからないよ…
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