~21章~

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悔しい… 平気で嘘ついて堂々としている彼に対してもだけど、翔さんに正直に言わなかった自分が1番許せない。 申し訳なくて俯いていると、頭上からクスッと笑い声。 パッと顔を上げるとやっぱり笑っていて… なんで笑ってるの… 「課長、笑ってないで何か言って下さいよ。 まぁ、笑いたくなる気持ちわからなくはないですけどね。 真実だろうと嘘だろうと、小百合先輩が課長を裏切ったことには違いないんですから」 そっか… 私に呆れて笑ってるんだ… 自業自得だよね。 自分が悪いんだから涙なんか出しちゃいけない。 そうは思うけど、翔さんの気持ち考えると申し訳なくて目に溜まってくる。 「おい!新人、小百合ちゃんが翔を裏切るなんてことあるわけないだろ。 出鱈目もいい加減に…」 「薫、撮影始めるから準備してくれ」 周防さんの言葉を遮り、翔さんの口からでできた言葉は、まさかの撮影再開だった。 この状態の中、撮影再開するの!? 翔さんが何考えてるのか、わからないよ… .
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