~20章~ #2

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頬にある課長の手は、撫でるように優しく触れながら、 「それに…逃げてばかりじゃなかったでしょ?」 触れる手よりその瞳は優しくて、くぎ付けになってしまう。 「7年前のことが原因で化粧するのを拒否してて、その中でもルージュが1番の傷で企画するのも嫌だったんでしょ? 塗ると、軽い感じに見られて、誘ってるって思われるから。 これ以上、お母さんのこと悪く言われたり、思われたくないから。 小百合ちゃんの気持ちわかっていたけど、俺はどうしてもルージュの企画をして、乗り越えてもらいたかったんだ。 そして…俺の予想通り、素晴らしい企画を考えてきた。 逃げてばかりの人間は、こんな企画は考えられない。 俺はそう思うよ」 こんなにも想ってくれる人が他にいるだろうか… いるはずない。 課長以外誰も… .
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