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~21章~ #2
沈黙を破り、先に口を開いたのは紺野君だった。
「課長。上司って立場利用して部下にそういうことするなんて…最低ですね」
最低って…
それは課長じゃなくて、紺野君のことじゃない。
そう考えていたのは私だけではなかった。
「最低?その言葉そっくりそのまま、お前に返すよ。
確かに俺は上司だ。だが、その立場を利用してなんかない。
まぁ、利用する必要なんかないしな」
背中しか見えないけど、多分翔さんは笑ってると思う。
その反面、紺野君はというと…
先程よりさらに険しい顔。
「どういう意味ですか!!勿体ぶらないで説明して下さいよ」
彼のこんな余裕ない姿、初めて見た…
翔さんはというと、クスクス笑っていて、いつも以上に何を考えているのかさっぱりわからない。
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