~23章~

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やっぱりこんなの駄目!! そう思って部署に戻ろうとしたんだけど… 「九条課長、これ…よかったら使って下さらない?」 今まで聞いたことないぐらいの甘ったるい声に、足は完璧に止まってしまった。 再度覗くと、柳さんが翔さんに何かを差し出していた。 あの袋…… 柳さんが差し出していた物は、この前私が行ったブランド店の袋だった。 柳さん…調べたんだ。 私は美里に教えてもらったけど、柳さんは自分の力で… 婚約者なのに、自分の力で用意できなかった。 そのことで胸がズキッと痛み、自信がなくなってしまった。 その場で1人、落ち込んでいると… 「気を使っていただいてすみません。 ですが、それを受け取ることは出来ません」 .
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