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「菜穂ちゃん、翔兄ちゃんのお願い事読んだらだめでしょ?」
「だって~!!」
自分のを吊るしながら諭してみたものの、諦めることなく見ている。
しょうがないなぁ。
翔さんごめんなさい、願い事見ます。
心の中で謝り、チラッと見ると、
「……」
「さゆねえちゃん。かけるにいちゃん、なんてかいてる?」
「難しい漢字だから、姉ちゃんもわからないな…
織姫様と彦星様にしかわからないんだよ、きっと。
さっ、菜穂ちゃん。向こうで皆と遊ぼう」
はぁ~納得してくれてよかった。
翔さんの願い事、分からないはずがない。逆に分かりすぎて…
『一緒に暮らしたい』
誰と?そんなこと考えなくてもわかる。
一緒に暮らしたい?
結婚するから一緒に暮らすのは当たり前だけど、願い事に書いてあるってことは…
「さゆねえちゃん、はやく~」
駄目だ。考えれば考えるだけドキドキして、顔が熱くなる。
短冊見たことは知らないんだし、平常心、平常心。
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