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目を開け、冷たい感触がした左手首を見ると、
「翔さん、これ…」
「誕生日プレゼントだよ」
見るからに高級であろう、腕時計が私の左手首につけられていた。
「こんな高価な物、いただくのは…」
時計のこと全然知らない私でも、これが高級な物であることぐらいはわかる。
微笑むと同時に翔さんは自分の左手を私の方に向け、
「これ、ペアウォッチには見えないけど、お揃いなんだ。
小百合ちゃんしか、つける人いないんだけどなぁ」
ペアウォッチなんだ…
『私しかつける人がいない』
そんな嬉しいこと言われて、返せるわけがない…
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