~26章~ #2

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「あの~、これは一体、どういうことなんでしょうか…」 先程まで慌てていたのに、落ち着いた様子で、 「小百合ちゃん、急に連れ出してすまない。 訳あって今は話せないんだけど、しばらく僕に付き合って欲しい」 え? 付き合って欲しいって、こんな格好でどこに!? 部屋着にサンダル姿の私が、ノーネクタイだがビシッとスーツを着こなしているお兄さんと、黒のスーツに黒のネクタイと、少し恐い雰囲気の運転手、岩城さんに付き合うって、どんな場所よ… とりあえず、携帯家に置いたままだから、貸してもらって翔さんに連絡しなきゃ!! 「付き合うのは構いませんが、婚約者に連絡したいので、携帯貸してもらえませんか?」 こちらを満面の笑顔で見ているから貸してもらえると思っていたのに、 まさかの… 「僕も携帯持ってきていないんだ」 「……」 チラッと運転手、岩城さんを見るけど、 「岩城も持ってないよ」 その言葉と同時にコクンと頷く岩城さん。 .
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