~26章~ #2

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お屋敷のような豪邸があまりに衝撃的過ぎて、足が動かない。 帰りますって言いたいけど、ここがどこなのかも分からないから帰ることも出来ず… どうぞ、と言われ、家の中に入ってはみるけど、玄関の広さに圧倒され、またまた固まってしまう。 てゆーか、なんで私、家に連れて来られたの?? 「旦那様。 お嬢様は先程お出かけになりましたので、昼食はいつもと同じでお部屋に運んで構いませんか?」 固まっている私の隣では、出迎えに来られた方がお兄さんに昼食の話をしている。 いつもと同じでって… 家族いるのに、毎日部屋で1人ご飯食べてるの…? 『構わない』そう呟くお兄さんの横顔が淋しそうで… その姿を見て、私の固まっていた足はいつの間にかスリッパを履いていた。 「娘さんっておいくつなんですか?」 広い廊下を歩きながら、娘さんのことを訪ねてみる。 見た目も中身もかなり若い感じだから、恵みの家に来ていた時も女の子達からモテモテだったお兄さん。 左手の薬指に指輪をしているから結婚してるのに、と呆れてそれを見物していたっけ。 .
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