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「あ、加納君久しぶりだね。今終わり?」
加納忠道、私と美里の同期で、人事部兼、副社長の付き人的な存在の彼。
よく仕事ができ、サバサバした性格だが、優しいイケメンと社内では有名。
入社してすぐの頃、自分も大変なのに相談を真剣に聞き、アドバイスしてくれ同期の中では、ずば抜けた存在だった。
私が男性と関わりたくないことを気づかれていたのか、会社内でプライベートのこと質問され困っていた時、突然現れ、煙草吸いにいこうとその男性社員を誘い、助けてもらったことも多々…ある。
本人曰く、煙草吸う相手を見つけただけ…らしいけど。
「髪が伸びてるから一瞬違うかと思った。七瀬も終わり?」
「うん。今、美里待ちしてる」
「あぁ、そういや、エレベーターの前で轟先輩と話してたな。
仕事人間の七瀬が定時に終わるなんて、明日は雨が降るなぁって思ってたんだけど、堤との約束なら納得」
私の行動で明日の天気勝手に決めるって酷くない!?
「加納君こそ、こんな時間に終わりって珍しいんじゃない?
美里が、副社長に連れられて忙しそうにしてるって前言ってたし」
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