~29章~

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「ゴホッ、ゴホッ」 「小百合、風邪酷くなってる… 帰ったほうがいいわよ」 「…大丈夫だから」 あの日、朝方まであの状態のままだった。 滅多にひかない風邪と、ほとんど食事を摂れないせいで体はボロボロになり、心は… 光りを、希望を、未来を失い… 絶望しか残っていなかった。 「小百合、何か変だよ…どうしたの?」 「ごめん、本当に大丈夫だから…」 私は嘘つきだ。 全然、大丈夫じゃないのに… 真実を話すことは出来なくて、親友から逃げた。 .
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