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あの夜から振動し続けている携帯。
全て周防さんからの着信。
『小百合ちゃん、連絡して欲しい』
毎日、毎日、撮影の合間に留守番電話に吹き込まれるメッセージ。
それに応えることは出来ず、消去した。
この1週間、翔さんからは何の連絡もない。
藤嶺グループの社長…
これが現実だとしても、私は全てを信じた訳じゃなかった。
本当は違うかもとか…
もしかしたら、真実はそうじゃないのかもしれないとか…
ほんの少しの希望を捨てられずにいた。
母の親友の名前を知っている父にメールしたり…
翔さんの子供の頃の写真を探したり…
だが、真実だと証明される物を見つけた瞬間、私のほんの少しの希望は見事に無くなった。
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