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シンとしたこの場所に、ギィ、ギィ、と足を進める度にきしむ音だけが響く。
『礼拝堂で待っています』
震える手で送信した内容。
伝えるならこの場所以外考えられない、ここしかないと思った。
翔さんの返事に不信な気持ちは一切なく、ただ…
『了解。早く会いたいから急いで行くよ』
涙が出るほど嬉しいのに、今の私には悲しみの涙しか出てこないだろう。
いつもの席には座らず、一番前で立ち待っていると、扉が開く音がした。
「小百合、おまたせ」
振り返ると、会いたくて堪らなかった人が立っていて…
こちらに向けられるその瞳は、1週間前と何も変わらず私だけを見つめていた。
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