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「また、そんなこと気にして」
この笑顔……
私が1番好きな翔さんの表情。
私にしか見せない、その顔を目に焼きつける。
「あっ、そうだ。ここに来たら渡そうと思ってたんだ」
そう言うと、コートのポケットに手を入れ何かを取り出し始めた。
「出来上がったって連絡もらったから、ここに来る前に受け取りに行ってきたんだ」
真っ白の箱から取り出された愛の証。
「小百合。左手出して」
2か月前、オーダーで注文していた婚約指輪。
そんな高いのいらないって言ったのに、全然聞いてくれなかったっけ…
「どうした?」
「…んなさい」
「えっ?今、何て…」
泣かない、泣いちゃ駄目。
これは、私が受けるべき罰なのだから…
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