~29章~ #2

10/10
422人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
翔さん… 私の最愛の人。 私達は運命の巡り合わせではなく、出会ってはいけない運命だったんだよね。 あなたの人生の中に私がいなければ、出会わなければ、傷つけることはなかったのに… あなたとの出会いが、一緒に過ごした愛しい時間が、夢であったならどんなに救われただろうか… 最後の願いがもし叶うのならば、別れを告げたのに『さようなら』の言葉を言わなかった狡い女を許さないで欲しい… 私を愛した日々など初めからなかったんだと、思い出さないぐらい誰かを愛し、幸せになって… あなたの幸せが私の幸せ。 罪深い私にも、あなたの幸せを祈ることぐらいは許してもらえるだろうか… このまま眠ることが出来たら… お母さんに… 翔さんの御母様に会えるかな…… そして、私の耳に『開けて!』という周防さんの声は聞こえなくなった… .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!