~29章~ #2

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「うっ…うっ…ゴホッ、ゴホッ」 風邪が悪化したのか、フラフラしながらも、たどり着いた自分のアパートの前。 「小百合ちゃん!?」 私の名前を呼び、暗闇の中から出てきたのは、あの日から連絡し続けてくれていた人だった。 「さっき戻ってきたんだけど、翔も小百合ちゃんも電話に出ないから… それよりずぶ濡れじゃないか!! 一体、何があったの!?翔は…」 ごめんなさい… その優しさは今の私には届かないんです… 「もう、関係ありませんから。失礼します」 「えっ!?待って…って、ちょっ、手がもの凄く熱い!!熱があるんじゃ…」 .
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