二の焦点

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(ダメだ! びくともしない) 動かせる手首を回す。 手には先程のチェーントーラスがある。 しかし、その行動に反応したのか、押さえる手に圧力がかかった。 嫌な音と激痛が脳を焼く。 化け物は妙な行動を起こした腕だけを折ろうとしたようだが、ついでに四肢を全てへし折ってしまったのだ。 四肢を潰された痛みが一瞬で精神を噛み砕く。 少女は一瞬で意識を失った。 暗闇が世界を埋めている。 まるで汚泥の中にいるような、気色悪い感覚が身体を這い回っていく。 (何処だろう……ここ) 真っ暗な空間で少女は目を覚ました。 いや、今だ目は醒めていないのかも知れない。 目の前には奇怪な仮面を付けた、道化師が浮いているのだから。 『駄目だな~君は? あんな雑魚に■られるのは勘弁し■欲し■よ』 (誰だよ……君は?) 『僕? ボクかい。そうだな、僕の名はノーフェイスと言っ■おこうか』 そう告げると道化師は戯けて見せる。 良く分からないが、少女にはその行動が非常に不快に感じた。 (何なんだよ君は! それにここは何処なんだよ) 『ここ? ここかい? 此処は■岐点さ。世界に干渉する■の分岐点。■■間の歪みで出来■デッドスポット』
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