三の焦点

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「おい、大丈夫か! 意識はあるか!」 体を揺すられ、降ってきた声で精神が覚醒した。 レーヴェは朦朧とした意識を何とか揺り動かす。 精神力を吸われた為か、頭が非常に重い。 身体中の疲労感もそれに付属するダメージかと、朧げに考える。 「生存者だ! 誰か治療術師を呼んでくれ!」 自分を介抱する中年の騎士は、酷く焦っているようだった。 どれだけ気を失っていたのかは分からない。 しかし、辺りには数十人の人間が現れていた。 「怪我はあるか? 奴らの呪いは受けたか?」 「呪い?」 よく分からない話に額に手を当てる。 それ以前に記憶が無いのだから、意味不明な事ばかりなのは仕方が無い。 「それより、ここは何処かな? この戦場はいったい……」 レーヴェの言葉に騎士は渋い顔をした。 それを不思議そうに眺める。 何故か騎士は、寂しそうな笑みを浮かべた。 「大丈夫だ! 戦争は終わった。奴らは散り散りに逃げている。もう、ここに冥魔族はいない。早く地上に戻してやるからな」 「冥魔族?」 敵対組織らしき者の名を呟く。 黒い剣士と戦っていた、青白い顔色の魔術師達の事であろうか? それと人間との戦争かと、ぼんやりと想像して見る。
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