三の焦点

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冥魔大戦―― それは外世界から侵入してきた、異種族“冥魔族”と四国連合軍との戦争をさす。 生命体全てを糧と考える 冥魔族とは交渉の余地はなく、その熾烈を極めた戦いはおよそ一年間続いていた。 今はその末期。 敵の本陣最終決戦において、外世界とこの世界を繋ぐ召喚ゲートを破壊した直後であり、現在はこの世界に残る冥魔族の掃討戦が開始されていると言う。 それが、目を覚ましたレーヴェが始めに聞かされた世界の情勢だった。 「貴女はその戦争で、最終決戦地“冥夢の幻域”の最下層で見つかったらしいわよ?」 目を覚ました場所は薄暗いテントの中であり、そう答えたのは簡易ベットで寝ているレーヴェを介抱していた僧侶の女性だった。 三十半ば辺りの恰幅の良い体格。 栗色の長髪を束ねており、温和そうな表情が印象的だ。 「それじゃ、ここは……」 「地上の簡易治療施設よ。ここまで来れば大丈夫。列国の主力騎兵団が守ってくれるもの」 朗らかに微笑む顔を見て、レーヴェは安堵の溜息を吐いた。 確かに遠くから喧噪の音が聞こえる。 この薄暗さも、日の光りに照らされた影だ。 冷ややかな陰りでは無い。 「全く、こんな可愛らしいお嬢ちゃんを戦場に出さなくては行けなかったなんて、嘆かわしい事だわね」
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