接触 #2

1/23
94人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

接触 #2

「気当た■か?」 ジリジリと距離を詰めるシミター使いの足捌きを、ガルンは静かに見つめた。 「違うな……、今■はそんな生易しい■ノでは無い。人間の魂を直接捻り潰■ような圧迫感があった」 ハルバートが緩やかに上がる。 ボーラ使い以外は、極めて均等に近づいていく。 「……貴様ら、人間を止めているな」 ガルンは仕方なく背負った刀を引き抜くと、いきなりボーラ使いに向かって歩き出した。 間合い云々を無視した動きに、一瞬四人とも呆れ返る。 「舐めるな!」 ボーラ使いは手にした投擲武器を投げ放った。 二つの球を紐で結んだ、狩猟様などに使われる捕縛武器。 それが黒いリングの様に回転しながらガルンに迫る。 それをガルンは無造作に切り落とす。 しかし、奇妙な手応えに眉を微かに動かした。 黒い塊が刀に絡み付いている。 分断するつもりで切りつけたボーラは、切れずに刀に絡み付いていた。 「……これは?」 「貰ったぞ」 ボーラ使いの両腕に、新たなボーラが増える。 そして、その合間にガルンの背後から巨大なハンマーが迫った。 しかし、ガルンは後に眼が在るかのように、それを見もせずに身体を二歩ずらして躱す。 そのままハンマーは大地を穿つ。 川沿いの岩盤は、まるで隆起するように打ち砕かれていた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!