接触 #2

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「メルテシオン王家の者の遺体だからな。回収するのは当然なんだが、特に副団長が怒り狂っていてな……。まあ、とにかく捜索は命懸けでやるはめになっている」 苦笑いを浮かべた顔には、何故か憐憫の翳りが見える。 「僕が見たのは、そのガルンって人が敵を倒しまくっている所ぐらいで、申し訳ないけど他は何も覚えていないよ」 何故か強く手に持っていたチェーンを握りしめた。 妙な怖気が走る。 あの戦場を思い出していると、まるで“手足を握り潰されて殺された”ような錯覚を起こす。 顔色が悪くなったレーヴェを見て、グライドは何かを感じ取ったようだった。 雑に頭をかくと苦笑いを浮かべる。 「悪い悪い。記憶喪失者に記憶を思い出せとは、本末転倒だったな。それが出来れば記憶喪失とは言わんよな」 「……」 「それにしても、あの馬鹿は何処に言ったんだ? これじゃあ、探すのが骨だぜ」 肩を落とすグライドを、レーヴェは沈黙したまま見つめた。 けだるそうな中年の騎士は、その仕種とは裏腹に精悍な目つきをしている。 面倒臭いように見せているが、始めから捜索する気は満々だ。 レーヴェはそれを感じて、意を決した。 「あの、僕もその捜索に参加させてもらっても良いですか?」
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