接触 #2

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浮き上がった岩盤の影から、闇に紛れてシミター使いが浮き上がる。 繰り出される斬撃を、ガルンは川下りする木葉のようにぬらりくらりと躱していく。 それを援護するように、横に回り込んだハルバート使いが高速の突きを撃ち放つ。 繰り出される刃の雨。 しかし、その全てをガルンは刀も使わずに全て避け続ける。 まるで、ギアがいきなり一段跳ね上がったような、不自然な速さ。 「馬鹿な?!」 驚愕する二人をよそに、ガルンの意識は彼等が持つ武器に注がれていた。 全て黒い。 余りに遊びの無い、無骨な漆黒の塊。 フォルムで武器の形は理解出来るが、どこにも継ぎ目などが見えない。 刀に纏わり付いたボーラも同様だ。 不意に空気を裂く音が響く。 飛来するボーラが二つ。 一つを躱しながら、もう一方を刀で切り払う。 だが、案の定、先ほどのように刀に絡み付き、今度は手首にまで纏わり付く。 「届いた!」 ボーラ使いが満足気な笑い声を上げる。 その瞬間、ガルンは腕に急激な重さを感じた。 いや、そのような感じしか、ガルンの認識域では理解出来なかったのである。 黒い光りが手首から腕に這い上ってくる。 ガルンはその感覚に目を見開いた。
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