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夜間行動のアドバンテージは、完全に向こうのものだ。
そこで、ようやくレーヴェは軽い疑問に直面した。
「あの~、一つ質問があるんだけど?」
「何だレーヴェ・ブロイエシュテルン?」
少しバツが悪いのか、レーヴェは言葉を言い淀んだ。
縮こまってカップに口を当てたまま、上目遣いで皆を覗き込む。
それなりに可愛らしい仕草に見えるが、全員がそう言う仕草が好のみとは限らない。
ウォータルはどうやら後者の方だった。
「さっさと答えろレーヴェ・ブロイエシュテルン! 俺は鈍い奴を見ていると苛々する。意見があるならはっきりしろ」
眼鏡を整えているウォータルの眉毛が、微妙に釣り上がっている。
レーヴェはおっかなびっくり喋りだした。
「ボクの目的は彼に会って話を聞きたいだけだけど……、その……遺体回収の方は、すんなり返してくれるのかな? 彼が返してくれない場合はどうするの?」
その質問に三人は体を硬直させた。
分かりきった回答が用意はされてはいるが、それがどれだけハードルが高いかは三人共理解している。
既に彼等はガルン・ヴァーミリオンの情報を得ていたからだ。
「ガルン・ヴァーミリオンが素直に言うことを聞かないならば、力付くで言うことをきかせるまでだ」
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