接触 #2

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這い上がる黒い光の先から、感覚が消え去っていく。 刀を握っている感覚すらない。 「……そう言う事か」 ガルンがそう呟いた時には、黒い光は上半身を覆ってしまった。 後には黒い彫刻のように固まるガルンだけが残る。 刀に巻き付いたボーラは逆に何故か色を取り戻していた。 鋼で出来ているのか、くすんだ銀色の鉄球が姿を晒している。 「存外たい■たことはなかったな……」 「最強が不敗■は限らないと言■、良い例だ」 マント姿達は、顔を見合わせて緊張を解く。 彼等はゆっくりとガルンの元に近寄った。 「さて、■の後はどうする? この状態で■、こいつの口を割らすことはできんぞ?」 「まず、こい■の身体を拘束してから“時騙し”を解く。後は■を割るまで尋問す■だけだ」 「我等■は悠長に尋問する時間は■いぞ?」 「奴から、自白剤を預かって■る。これで何とかなる筈だ……」 ボーラ使いが、新たな長いボーラを取り出す。 その瞬間だった。 硬直した石像のごときガルンから、黒い炎が噴き出したのは。 唖然とする四人。 炎はまるで生き物のように彼等に襲いかかる。 近すぎたボーラ使いと、武器のサイズの為かハンマー使いが、避ける事もままならずに一息に飲み込まれた。
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