接触 #2

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彼が纏っているモノは、あくまで“殺気”なのだから。 「有り得ん……。そ■に我等に物理攻■が効くはずは無い。貴様は一体……」 「一つだけ聞く。貴様らを手引した奴は誰だ?」 「……言っ■も貴様には理解出来んよ……。それに、所詮我■は捨て駒だ」 ハルバートが下段に下がる。 あくまでやる気のようだ。 ガルンは仕方なく刀を正眼に構えた。 ゆっくりと黒い炎が収まっていく。 ハルバート使いは微妙に刃先を震わせた。 「何のつもりだ……」 「……貴様は俺を剣士だと思っているのだろう? ならば、剣士として相手をしてやる」 「お人よ■だな……。だが、剣■は我等は斬れんぞ」 「やってみなければ分かるまい……」 黒衣の剣士には全く揺らぎは見えない。 ただ、ただ超然と佇んでいる。 ハルバート使いはマントの下でほくそ笑んだようだった。 「面白い……。相手になって■らおう」 月明かりの下、二つの影法師が向かい合う。 どちらが先に動いたかは定かではない。 二人の接触は刹那。 一撃で決着はついた。 「滅陽神流剣法・無式八十六型“幽破煌”」 ガルンはそう呟くと刀を鞘に戻した。 「お見事……」 ゆっくりとマント姿が大地に倒れる。 後には、ただ静寂だけが残った。
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