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「くだらねぇー! くだら■ぇーな! てめぇーらチキンか!」
一人だけ声を荒げたモノがいた。
青年らしいダミ声から、ある程度若いと判断できる。
「既に俺達は■んでいるだろうがぁ! 今更芋■いてどうする!」
沈黙が辺りを包む。
賛同したいが同意はしかねるようだ。
「クズ共が! ようは戦い■だ。奴は圧倒的な殺傷能力を持って■るようだが、奴自身は生身。そこが狙い■だ! 見ていろ、俺が奴を潰してやる!!」
声の主は高らかに笑い出した。
周りの人間は沈黙したままだ。
ただ、道化師だけはニタニタとほくそ笑む。
まるで喜劇を演出する、脚本家のように。
深夜。
辺りは静寂に包まれていた。
レーヴェは根付けずにベットで、右往左往と寝返りをうってみる。
しかし、昼間に熟睡したために睡魔は襲っては来なかった。
(……夜風にでも当たって来よう)
諦めてベットから降りる。
衣服を整えながら、やたらめったらとあるチェーンを眺めた。
所々にリングが付いている。
記憶には鮮明には無いが、これが魔術道具だと言う事だけは分かっている。
無意識下で起動出来たのは、体に染み付いた反復行動かもしれない。
(効果を……把握しておいた方が良いかも)
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