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接触 #2
「気当た■か?」
ジリジリと距離を詰めるシミター使いの足捌きを、ガルンは静かに見つめた。
「違うな……、今■はそんな生易しい■ノでは無い。人間の魂を直接捻り潰■ような圧迫感があった」
ハルバートが緩やかに上がる。
ボーラ使い以外は、極めて均等に近づいていく。
「……貴様ら、人間を止めているな」
ガルンは仕方なく背負った刀を引き抜くと、いきなりボーラ使いに向かって歩き出した。
間合い云々を無視した動きに、一瞬四人とも呆れ返る。
「舐めるな!」
ボーラ使いは手にした投擲武器を投げ放った。
二つの球を紐で結んだ、狩猟様などに使われる捕縛武器。
それが黒いリングの様に回転しながらガルンに迫る。
それをガルンは無造作に切り落とす。
しかし、奇妙な手応えに眉を微かに動かした。
黒い塊が刀に絡み付いている。
分断するつもりで切りつけたボーラは、切れずに刀に絡み付いていた。
「……これは?」
「貰ったぞ」
ボーラ使いの両腕に、新たなボーラが増える。
そして、その合間にガルンの背後から巨大なハンマーが迫った。
しかし、ガルンは後に眼が在るかのように、それを見もせずに身体を二歩ずらして躱す。
そのままハンマーは大地を穿つ。
川沿いの岩盤は、まるで隆起するように打ち砕かれていた。
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