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呪殺と言うのは、魔術の括りでも非常に難易度が高い。
呪殺師や陰陽師、妖術使いと呼ばれる法力、妖力使いが得意とされるが、それでも一人の術者が一人を呪い殺すだけでかなりの労力を必要とする。
それも、その能力自体がかなり希少だ。
五十人を同時に呪い殺せる術者など、世界を見渡してもほぼいないであろう。
となれば大人数の呪術者がいたとしか考えられない。
だが、戦後間もない今、局地的にでもそんな呪術集団が集まるとは考えにくい。
ウォータルの指摘は当然の事だろう。
ただし、相手が人間ならばだが。
「単純に考えれば、これはガルン・ヴァーミリオンが起こした事だろう。地形的にも、ルート的にも通り道だ」
「これをガルン・ヴァーミリオンが?」
ウォータルの推測に、アスラージュは美麗な眉を寄せて難色を示した。
同じ王宮近衛騎士団として、ガルンの事はある程度知っている。
実力はあるが、ガルンは飽くまで剣士だ。
呪術師では無い。
戦わずに相手を殺すなど、到底考えにくい事柄だ。
「聖骸奪取の部隊が展開していたとして、それに気づいた彼がこいつらを全滅させたとは考えにくいんじゃないかな? そもそも彼のメイン武装は炎の剣だろう。 ここら一帯焼け野原なら、まだ話は分かるけどね。流石に戦わずに勝つのは不可能だ」
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