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「炎のコントロールは……可能か」
ガルンはそう呟くと然あらぬ顔で立ち上がり、泰然と後を振り返った。
「何のようだ貴様ら? ここまで近づいて“死んでいない”のは有り難いと思ったが……。貴様ら生者か?」
視線の先、木々の間から人影が現れた。
黒いフードコートの人間が三人。
まるで幽鬼のような雰囲気の為か、大気が歪んで見える。
「まさ■、聖骸があるとは……」
「棚ぼたじゃね■ーか! ガル■・ヴァーミリオンを追ってきた来たかいがあったなぁー!」
「……これは好機」
聞き取りにくい声の主達は、笑いながら得物を取り出す。
彼等の視線がガルンを通り越して、空中のパリキスに向いている事に気づいて、ガルンは露骨に不機嫌な顔になった。
背中の妖刀をスラリと引き抜く。
「また湧いたか蛆虫どもが……」
「吠えてろカスが! こ■俺、バレル・カッツァーが仕留■てやんよぉ!」
フードをたくし上げた青年は狂気的な笑みを浮かべていた。
猿のような顔に赤い短髪が妙に浮いて見える。
「待てバ■ル。話が変わった。聖■があるならば目■は聖骸奪取だ」
「うるせぇぞメルセス! 俺はこ■最強気取ってる馬鹿を殺■に来た■けだ! 勝手につい■来てほざく■じゃねぇーよ!」
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