黒き戦鬼 #2

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バレルは叫びながら両腕に付けた黒い鉤爪をカチ鳴らす。 ガルンはそれを不思議そうに見つめた。 何故か以前、“同じような色の武器”を見たような気がする。 「諦めろメルセス。バレルは勝手にや■せた方が良い」 もう一人のフードコートはそう呟くと、手にした黒い鞭をしならせる。 「ロッシュ! こ■つは勝手にやらせると手に負えなくな■ぞ。“仲間殺し”のバレルの通り名を忘れるな」 メルセスの言葉に、バレルは腹を抱えて笑い出した。 「“デシメーター【大量虐殺者】”メルセス・リド・エクフレアがよ■言うじゃねぇーか。てめぇー■能力こそ、えげ■ねぇくせによぉ」 「何だと?!」 「止めておけメルセス!」 バレルに牙を剥くメルセスを、ロッシュと呼ばれた男が素早く止める。 「我々には時■が無いのを忘れるな!」 その言葉に二人の顔付きが変わる。 しかし、それも一瞬。 バレルは唇の端を吊り上げて笑い出した。 「そんな■ん分かってんだよ糞共! 俺は俺の■りたいようにやる! 誰も文句■言わせねぇ!」 そのままガルン目掛けて走り出す。 それを見てメルセスは、苛立ちを隠そうともせずに舌打ちした。 彼等には仲間意識は無い。 ただ同じ境遇にいる囚われ人と言う認識だけだ。
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