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ガルンの言葉には言いようの無い重みがある。
まるで自分が経験してきた事を吐露したような、確信に近い感情が含まれていた。
レーヴェは目覚めてからの事に思いを馳せる。
冥夢の幻域の記憶はあやふやだ。
明確に意識がはっきりしたのは、簡易治療施設で目覚めてから。
看護をしてくれた僧侶は温和そうな女性だった。
しかし、あれは万人に向ける慈悲の信仰からだろう。
訪れたレッドレイと言う愛想の良い騎士は、常に何か別のモノを見据えているようだった。
掴めない相手だった気がする。
その後に現れたのはグライドだ。
ニヒルな陽気な騎士からは、悪意は感じなかった。
ただ、そのスタイルは誰にも平等に接する現れかも知れない。
そして、アスラージュ、ウォータル、クロシードと出会った。
アスラージュは人当たりの良い軽快な青年だ。その奥底には、平穏に飽きて刺激を求めている節がある。
ウォータルは理路整然とした博識な人物に感じた。ただ、融通が利かない生真面目さを感じる。
クロシードは弱腰だが、腕の良いハイ・プリースト(高司祭)だ。生来気弱な性格に見えるが、信仰からか与えられた職務は全うする気構えを感じた。
彼等は国の為ならば命を棄てる事が可能な人種である。
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