未完のノクターン #2

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「君が、君が一番良く分からない! 行動原理もさっぱりだよ。何故そんなアドバイスをくれるの。 君は信用していいの!?」 「俺は……白でも黒でもない。灰色だ。俺の邪魔さえしなければ、貴様の敵に回る事はない。だが、味方とも思うな」 レーヴェはそこで沈黙した。 振り向きもしない背中は、何故か明確な意思表示に見える。 捨てられた仔犬のように、レーヴェはその背中を見つめる事しか出来ない。 (……このまま、メルテシオンに行って……焦らず情報を待つのが正解なのかな……) そう思った直後、頭に声が聞こえたような気がした。 『それ■無理だね。そこまでの時間は■いよ』 悪魔の甘い囁きのような、不気味だが良く通る美声が響く。 レーヴェは何故か悪寒が走るのを感じた。 そのせいか、バランスを崩して枝から滑り落ちる。 一瞬の後悔。 余りの間抜けぶりに辟易する。チェーントーラスを取り出す暇もない。 身体を固くして落下に備えいると、下から身体を掬い上げられたのを感じた。 「えっ……?」 目を白黒させていると、いつの間にかガルンがレーヴェを抱え上げていた。 重さを感じない軽快さで大地に降り立つ。 「貧弱で貧相でそのうえドジか……。よくそれで生き残れたものだな」
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