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「それはボクの台詞だよ! 女性の部屋に侵入している時点で、君らに非があるのは当然じゃないか!」
レーヴェは膨れっ面でテーブルを叩いて立ち上がる。
やはり裸を見られたのは納得いかないらしい。
振動で落ちそうになる食器を、慌てて青年が素早く手で押さえる。
「はぁ? 何でそう言い切れる? てめぇーが相当な痴女で、俺達二人を拉致したかも知れないじゃねぇーか」
「そんな馬鹿な事する女の子がいる訳無いだろうがー!」
睨み合う二人の間にフォークが割って入った。
「まあ~落ち着きな二人とも。とにかく一旦状況を整理しようや? 騒ぐと他のお客に迷惑だしな」
青年はそう言うと、フォークに突き刺さっていたウインナーを口に放り込む。
客は遠くのテーブルに付く老夫婦だけだが、不思議そうに三人を見ている。
レーヴェは引き攣った笑みを浮かべながら席に戻った。
荒々しくフォークを目玉焼きに突き刺す。
「それじゃ、状況を整理しようじゃないか!」
レーヴェは二人を下から睨みつける。
妙な迫力を出しているのは、この少女にしては珍しい。
「まあまあ、そう熱くなりなさんな。オレはクェイガー。フリース・クェイガーだ。俺が部屋にいた理由は……分からんね」
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