116人が本棚に入れています
本棚に追加
「とりあえず先程の話の続きだ。レーヴェちゃんの話は俺達にも通ずるモノが多い。記憶はあやふやだが、俺も戦争に行った気がする」
「はっ! 俺は無いね。戦争なんか知るかよ」
「記憶が無いのだから、知らないかは断言できないのではないかな?」
「あっ? 何だてめぇ。喧嘩売る気か? 喧嘩なら買うぜ! 利子も倍にして還してやらぁ」
立ち上がる円城を見て、レーヴェは慌てて止めに入る。
「落ち着こうよエンじョウレんヤ?」
妙なアクセントに円城は露骨に嫌そうな顔をした。
「てめぇーは、人の名前も満足に発音出来ねーのか?」
「ゴメンゴメン、ボクには聞き慣れないフレーズだから……」
本気で悄気るレーヴェを見て、尚更不機嫌さが増す。
「面倒くせぇ、呼び方は勝手にしろ! ただ、その妙なフルネームはよせよ?」
円城の言葉にレーヴェは大きく頷く。
まるで子供をあやしているような気分に陥り、円城は毒気を抜かれたように椅子に座り直した。
「白けるぜ全く。記憶があやふや、背後に胡散臭い奴がいる。それだけ分かれば十分だ。ようはその黒幕の首根っこ引っ張って来て、全て吐かせればいいんだろうが? そいつは俺達の事を“知っている”んだろ」
円城の言葉にレーヴェとクェイガーは顔を見合わせた。
最初のコメントを投稿しよう!