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あれこれ憶測を挟まない至ってシンプルな回答だ。
知っている奴がいるなら、知っている奴から話を聞き出す。
円城の単純明快な回答に、二人は目から鱗が零れる思いになった。
「君、意外と賢いんだね」
「人を外見や言動で判断してはいけない、良い見本だな~」
二人の物言いに、円城は拳を顔付近まで持ち上げる。
「てめぇーら、やっぱ喧嘩売ってんよなぁ?」
「何、本当に感服しているだけだ。他意はないぞ?」
クェイガーは本気で言っているようで、余計に質が悪い。
円城の拳が小刻みに震えているのを見て、レーヴェは慌てて取り繕いに行く。
「まあ、まあ。とにかく、基本方針は、ボクたちをこんなめに遭わせた奴を探し出して詰問するとしよう。うん、それで行こう」
「現状ではそれしかあるまいて。しかし……何か我々は手にしなければならなかった気がするが?」
クェイガーの言葉に二人も頷く。
「何か気持ち悪い焦燥感があるよ。それを命を賭けてでも、手に入れなければ成らないような変な使命感」
「頭にへばり付いたイメージは……“人”か、“場所”……だったか? 違うな。何かを代用する為のモノ……か?」
「代用品……人……」
その言葉にレーヴェははっとなる。
欠けていたピースの一つを見つけたような高揚感。
聖骸。
何故か奪い合いが激化していた、メルテシオンの第四王女の亡骸。
謎の黒いフードコートの連中もそれを狙っていた。
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