伍の焦点

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「多分、キーの一つは聖骸だよ。それを起点に人々が動いてる」 得心したような表情のレーヴェを、クェイガーは淡々と見つめた。 確信を得たような、精気の篭った眼力を感じる。 その脈絡も無い言葉には、何か納得する力強さがあった。 「神誓王国メルテシオンの第四王女……“忌み子の姫”か」 「何だそりゃ? 何かいわくでもあるのかよ」 クェイガーの呟きに、円城は疑問を投げ掛ける。 円城にして見れば、出てくる殆どの語句に覚えが無い。 疑問のオンパレードである。 「パリキス・キラガ・メルテシオン。神に呪われた姫君と……何故か記憶にあるな~? その姫に触れられると、等しく呪われて死ぬ……だったか? 妙な噂を聞いた気がするが……」 クェイガーの疑問系の言葉を、レーヴェは苦笑いを浮かべて聞いた。 これは世間一般の噂話だ。 その王女の半身の醜悪さから、勝手に囁かれた風評被害の最たるものである。 この場にガルンがいたならば、問答無用で叩き斬られるような気がしてレーヴェは身震いした。 「とりあえず、それを探しに行けば記憶を取り戻す手掛かりになるのか?」 円城の言葉に二人は頷く。 「現状ではそれが一番賢明だろうな。そこから情報を手に入れるのがベストだろう。差し当たっての問題は……」
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