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そこで漸く床に散乱している、自分の服らしきものに気がついた。
慌ててそれを取りに動く。
(なんか、酔った勢いでってパターンを聞いた事はあるけど……まさかボクも……?!)
青ざめた顔で床に足を出す。そこで、奇妙な踏み心地にレーヴェは足元を見た。
「……えっ?」
踏んでいる物体をまじまじと見ると、足元にも人が倒れている。
紫色の髪の男性だ。
何故かこちらも素っ裸である。
俯せに倒れている男の背をレーヴェは踏み付けていたのだ。
「っわぁ~?!!」
流石に我慢出来ずに悲鳴を上げる。
レーヴェは慌てて床に向かおうとしたが、人の背中の感触に怖気を感じてバランスを崩した。
そのまま無様に床に倒れて転がる。
古い宿屋なのか、建物が盛大に軋む音が響いた。
「うるせぇーなぁ?!」
その音で目覚めたのか、赤髪の少年はゆっくりと上半身を起こした。
「いてて……何だね全く」
床で寝ていた為か、首を押さえて紫髪の青年も頭を上げる。
二人が見た先には、あられもない姿で転がっているレーヴェの姿があった。
「何だてめぇーは?」
「おー……眼福」
二人の言葉にレーヴェは顔を赤らめると、床に服と共に転がっていたトーラスをつかみ取る。
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