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「舐めんなぁデク人形!!」
円城はそれを迎撃するように拳を繰り出す。
はたから見れば、バカバカしい立ち合いだ。
二メートル近くの甲羅の手と拳で殴り合う。
いくら名うての拳闘士と言えど、馬鹿正直に正面からぶつかるのは自殺行為に近い。
「オイオイ、マジかよエンジョウ少年! 幾ら何でも無謀だろうが!」
クェイガーは叫ぶとその場で蹴りを繰り出した。
えぐり込むように打ち出された蹴りから、突風が生まれる。
「ゲイル・ランサー!!」
「邪魔だぁ! 砕け散れ!」
大気が引き裂かれるような怒号が空間で弾けた。
弾ける大気の波が辺りに飛び散り、木々が激しく震える。
円城の一撃は甲羅の腕を肩まで爆散させ、クェイガーの撃ち放った竜巻は頭を吹き飛ばしていた。
地響きを起こしながら倒れる巨人を見て、円城は舌打ちする。
「てめぇー。何、格ゲー見たいな技名言いながら止めさしてんだぁ。こいつは俺の喧嘩だろうが!」
眉間に青筋を立てる円城を見て、クェイガーは愛想笑いを浮かべた。
「ははは。お前がこんなに強いとは思わなくてな。それよりカクゲーとは何だ?」
「はぁ? てめぇーは格ゲーも知らねぇーのか。格ゲーってーのはな。ゲームの……一種……で?」
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