継ぎ接ぎの鼓動 #2

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円城はそこで口をパクパクと開けた。 続く言葉が出てこないらしい。 そのまま、顎に手を当てて険しい顔をして唸り出す。 「記憶をみんな欠如してるんだから、無理に思い出すのは無理だよ」 レーヴェの言葉で円城は首を傾げていく。 上体自体を傾け出して、クェイガーは呆れてため息をついた。 「まあー、いいんじゃないか? 俺の記憶から欠落した単語なだけかも知れんしね。しかし……お前の技は何なんだ? 魔力の気配も、気の気配も無いが?」 「そんなもん気合いに決まってんだろ」 「気合い? 気合いでこれは無いだろう」 クェイガーは苦笑を浮かべて砕け散った巨人の腕を眺めた。 殴りつけた場所はたいしたダメージは見えないが、見えない力が後方に抜けたように爆ぜ割れている。 (内気功……? それにしては威力がデカイね~) 近づいて巨人の拳に触れてみる。 拳と言っても蟹の外皮だ。 殻と言っても過言では無い。 触れた感触は分厚い鋼である。 「気合いは気合いだ。俺は昔から拳一つで全てを叩き潰してきた気がする。本能で分かるぜ」 拳を握りしめる円城は、何故か頗る嬉しそうだ。 胡散臭そうに見つめるクェイガーを見て、円城は何か閃いたように顔を輝かせた。
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