継ぎ接ぎの鼓動 #2

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「上等だぁ! その喧嘩買うぜ! てめぇーは全殺し決定だ」 円城はハウゼンベリーに拳を突き付けると、大声で吠える。 それを見ながらクェイガーはレーヴェの背後に回った。 小声で耳打ちする。 「あの馬鹿は、作戦云々の細かい行動は取れないと見た。あいつはそのままハウゼンベリーの陽動に使う。レーヴェちゃんは奴の援護をしながら、デカイ魔法でハウゼンベリーを黙らせてくれたまえ」 クェイガーの提案に、レーヴェは難色を示す。 「この数で囲い撃ちされたら一たまりも無いよ……」 「俺がレーヴェちゃんの護衛をしながら、周りの害虫を退治する。なーに、この俺の格好よい所を見せてあげよう。レーヴェちゃんは周りを気にせず魔術を使ってくれ」 クェイガーはウインクすると、レーヴェより少し離れる。 周りの昆虫人間の口元から、気味の悪い鳴き声が鳴りはじめた。 「そいつらは我が造った強化兵だ。そのサイズでも自壊しない程、体組織を強化してある。昆虫は自分の十倍の物体すら容易に持ち上げるが、そのサイズだとどうなると思うかね?」 ハウゼンベリーは人をおちょくるような笑みを浮かべる。 敵を弄ぶのに慣れた物腰だ。 嫌悪感が沸き出してきてレーヴェの不快指数が上がっていく。
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