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「それが何だってーんだ。昆虫の脆さもそのままなんじゃねぇーか? 昆虫なんて中身スカスカだからな」
「そう思うなら戦って見るが良い」
「やってやるぜ! まとめて全部標本にしてやる」
円城は拳を握り込むと走り出した。
それに合わせるようにレーヴェはトーラスチェーンを三つ回しだす。
「トーラス呪詠式・トリオ“進撃の騎行”!」
その声と共に、三人の体が淡い光りに包まれる。
筋力、耐久力、精神力強化を同時に行う身体強化魔術だ。
クェイガーは大きく口笛を鳴らす。
円城は魔術がかかった事自体理解していないようだ。
「とりあえず害虫駆除をおっぱじめるぜ!」
円城は一直線にハウゼンベリーに向かう。
それを遮るように虫人間が立ち塞がる。
正面には甲虫型。
左右から蟷螂と蟋蟀型だ。
甲虫は腰を据えると、角を低く構える。
「オラぁ! 砕け散れ!」
放たれる拳を、下から掬い上げるように角が迎撃に向かう。
だが、角が腕を捉える前に拳は頭に直撃していた。
レーヴェの魔術の加護か、円城の踏み込みの急加速かは謎だ。
一撃で甲虫人間は明後日の方向に吹き飛ぶ。
左側から迫り来る蟷螂の鎌を、前に踏み込む事で躱すと肘鉄を鳩尾に叩き込む。
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