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「ゲー■探索を放棄するのか?」
「生きている地脈■インが残っている可能性も低い。もし機能■ているとしても、使おうにも魔力を集■る時間が我々には■されていない。ここは放棄するしかあるまい」
黒コート二人は勝手に結論を出すと、レーヴェとクェイガーに顔を向けた。
「お■らも退避しろ。後でこちら■ら接触を計る。いいな」
そう呟くと二人は影の中に溶け込んだ。
まるで水の中に沈むような軽やかさである。
残された二人は顔を見合わせると、外を目指して走り出した。
冥魔族の強さは先の戦いで痛いほど理解している。
黒コートの連中が撤退をやむなしと判断したのならば、冥魔黎明衆とはその中でも更に危険だと言うことだ。
此処でそんな者と戦うメリットなど一つも無い。
君子危うきに近寄らずである。
「エンはどうしよう?」
「奴らの仲間の誰かが、同じように話をしている筈さ。とにかくこの施設からは離脱しよう。奴らが召喚ゲートを使って何をしたかったかは謎だが……仕方が無い」
二人は振動から離れるように道を選んで、研究所を駆け抜けていく。
そこで頭を押さえて、壁にもたれ掛かる円城を見つけた。
「エン! 状況は分かってる!?」
声に反応して、円城は苦々しい表情をレーヴェに向けた。
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