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レーヴェはちらりとクェイガーに目配せする。
泳がせようと言う合図らしい。
それに気づいてか、クェイガーはそのまま話しを続ける。
「もう一つの方は……どうなっている?」
曖昧な質問。
情報が少ない為のただの鎌掛けだが、相手は不審には思わなかったようだ。
「そち■は残りのメンバー全てが向かうとの事だ。冥魔黎■衆と戦うのは避けたいのでな。そちらに仕掛けるのは、メ■テシオンの特務部隊との戦いが始まってからになる。タイムスケジュー■的には、こちらが失敗した場合の保険だ」
話されたキーワードと、マドゥールクの研究所の事から目的を推論する。
レーヴェとクェイガーの目つきが変わるが、円城は詰まらなそうに首を掻くばかりだ。
明らかに考える事を放棄している。
ごたごた考えるのは性に合わないらしい。
それとは逆に、知識の探究者である魔術師の思考ロジックは違う。
魔術式を解くように、脳内に記憶が駆け巡る。
(彼らはマドゥールクの研究所で召喚ゲートを探していた。 ならば目的は同じ筈。彼らは大規模な召喚ゲートを探している? 冥夢の幻域でそれを求めるとなると……)
レーヴェは大きく目を見開いた。
至極単純な回答が用意されている。
今、地上に張り巡らされた軍隊は、何のために展開されているのか。
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