望まぬ過去 #2

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(そうか……。彼らの目的も四国連合軍と同じ、冥夢の幻域の最深部に眠る冥魔族最大侵略拠点……) 冥魔族がこちら側に侵攻する為に必要不可欠な要所。 西方大陸、最大の地脈集約地点の一つ。 膨大な星の息吹を使い、別世界に通路を構築するために設えられた転移ゲート。 “召喚神殿”。 それが地中深くに眠る最大の神秘である。 冥魔族はここを起点に世界侵略へ。 連合軍はここを潰して冥魔族の撲滅へ。 そして、彼らはここを使って何かを成そうとしているようだ。 (でも……第四王女と召喚ゲート。それを使って何をしようとしているのか、皆目見当がつかない) レーヴェは意を決して黒コートに目を向ける。 黒幕に繋がる情報を得るには、更に踏み込むしかない。 「王女奪取に成功した後はどうすれば良い?」 レーヴェの質問に黒コートは数瞬沈黙した。 そのままレーヴェを値踏みするように眺める。 「“静止した狭間”に連れ■行くに決まっているであろう? あそこで無くては“あやつら”は■在を固定出来ないではないか。それに、閉ざさ■た未来に進めない我々も、どの道そこに向か■しかあるまい」 「静止した狭間……?」 聞いたことがない名称だ。 それが場所なのか隠語なのかも分からない。
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