望まぬ過去 #2

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「バニシング・ナックル!!」 解き放たれた見えざる衝撃波。 見えざる力が黒コート二人を薙ぎ払う。 「探り合いなんて時間の無駄だ! さっさと拘束術式とやらを起動しろ!」 驚くレーヴェに怒鳴り付ける。 クェイガーは片手を額に当てて首を振っていた。 折角の苦労が水の泡である。 「やっちまったもんは仕方がない。レーヴェちゃん!」 その声に反応して、レーヴェは素早く結界の起動魔術を唱える。 辺り一面に巨大な魔法陣が浮き上がった。 足元から赤く光る鎖が現れ、黒コート二人を縛っていく。 その二人を囲むように、大地から三重のヘクサグラムがゆっくりと浮き上がった。 巨大な魔獣、妖獣を捕縛する封縛結界に、レーヴェ特有の封印術式を組み込んだ魔法陣である。 鎖に雁字搦めにされた黒コート二人は、そのまま大地に膝をついた。 「貴様ら……何を血迷った? こ■は何の真似だ」 「それはこっちの台詞だぜ。なんで俺達がてめぇーらの仲間だと思った?」 円城の疑問にもう一人の黒コートは沈黙した。 何か考え事をしているのか、蝋人形のように佇んでいる。 「さっさと質問に答えろや。 てめぇーらが不死身だろうが、封印されちまえばそこまでだろうが? 違うか?」
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