望まぬ過去 #2

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沈黙する三人を見て、黒コートの一人は大きく肩を落とした。 「やはり、お■それと上手くは行かんだろうな。王女の周りはメルテシオ■軍で溢れている。王女を狙うよ■は場所の確保と行きたい所だが……」 「此処も■地条件は良かったんだけどな~。冥魔族が暴れた後だ■らな。未■と同じで枯渇している可能性はやはり高いってよ」 二人の会話を聴きながら、クェイガーは円城に耳打ちする。 動くなと。 二人の態度には交戦する意志を感じない。 その違和感にレーヴェも直ぐに気がついていた。 (敵対心が無い……? 違う……彼等は僕らを敵として認識していない?) クェイガーはレーヴェに目配せを送る。 レーヴェはそれを見て小さく頷いた。 「此処は、その……目的の場所にはそぐわない……のかな?」 レーヴェの言葉に、黒コート二人は薄ら笑いを浮かべた。 二人の気配は苦笑と言うよりは、諦めに近い感情に彩られているように見える。 「調査中だが……やはり時■が経ち過ぎている。希望は持■ん方が賢明だ」 「そう……なんだ」 レーヴェがそう呟いた瞬間だった。 足元の影からにょきにょきと人影が這い出す。 驚くレーヴェの目の前に、新たな黒コートが現れた。
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