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「外の見張■はエッジチェインに任せる。■脈の枯渇は深刻だ。ゲート探しに人数を割く……」
新たな黒コートは出るなりそう宣言した。
背後にいる三人には振り向きもせずに、お前らも手伝えと告げる。
レーヴェはクェイガーと円城に顔を向けてから、大きく頷いた。
それを確認すると、新たな黒コートの足元の影が拡がっていく。
それがレーヴェ達の影を飲み込むと、三人は底無し沼に沈むように影に飲み込まれて行った。
まるで黒い湖に飲み込まれるような、奇妙な水没感。
それをあっさり抜けた感覚が襲うと、三人はいつの間にか施設内にいた。
廃墟のように寂れた建物はひびだらけで、所々砕けている。
備え付けられていただろう備品は散乱し、所々に朽ちた死体が転がっていた。
一年はたっているが、薬品と何かが混ざったような不快な臭いがこびりついている。
三人は直感で此処がマドゥールクの研究所内部だと理解した。
「手分けを■てゲートブロックを探せ」
黒コートはそう告げると荒々しく歩き出した。
レーヴェ達以外にも先程の黒コートの一人が同行しており、その男は何も告げずに歩き去った。
残された三人は黒コートの姿が見えなくなってから、場所を素早く移動する。
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