望まぬ過去 #2

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「単純だぜ。仲間って奴は信頼できるダチ見てぇーなもんだ。一緒に過ごしたり、同じ志しをもったり、共感出来なきゃなれるもんじゃねぇ。だが、俺達や奴らには共通項が見当たらねぇ。俺達三人だって人種や国など共通項が無い。それでも仲間になったのは共通項があるからだ」 「それは記憶喪失……」 「それに、俺達から記憶を奪った黒幕……か」 二人の言葉に円城が頷く。 三人の絆は仮初めのものだ。 それを支えているのは共通の敵の存在である。 自分達の記憶を奪って、野に棄てた存在。 しかし――それが違がかったとしたら? それは自分達の考えを根底から崩す事に他ならない。 「俺達三人はともかく、奴らと俺達に共通項があるとは思えねぇ。そもそも俺達は“スタグナター【停滞者】”じゃねぇーしな」 「それは……確かに」 その言葉を聞いて、レーヴェは伏し目がちに右手の人差し指を軽く噛んだ。 頭に欝すらと走馬灯の様にビジョンが浮かぶ。 断片的な記憶のカケラが見える。 その中に、何故か黒コートの姿の一団を見たような気がした。 だが、それより鮮明に浮かぶのは道化師の姿だ。 笑い顔の仮面の道化師と、黒洞の仮面の道化師。 (道化師のイメージが頭にある……。もしかしたら、こいつらが黒幕?)
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