92人が本棚に入れています
本棚に追加
それには円城と瓜二つの顔が載っていた。
出て行った円城を見送ってから、クェイガーは足元の資料を漁り出した。
「エンが行っちゃうよ?」
「行かせとけ行かせとけ」
クェイガーは左手を無造作に振りながら、資料をチェックして行く。
ざっとであるが、その全てに目を通しているとはレーヴェには思いもよらない事だ。
「奴らが探しているゲート・ブロックの意味すら分からないで、むやみに動き回るのは得策じゃない」
「ここは例の超人兵召喚計画とかをやっていた研究所だよね? 普通に考えてブロッキングよりは、ブロック(区画)と捉えるのが適切だと思うけど」
「まあ、十中八九そうだろうな。だが、奴らの口ぶりだと“一度”調べた事があったような口ぶりだった。それでルートが分からないと言う事は……」
「道が塞がっているか……破壊されている」
レーヴェの答えに、クェイガーは『正解』と回答してウインクを贈った。
闇雲に探すよりマップを探して、遠回りでも行けそうなルートを見つけだす。
それがクェイガーが出した答えだった。
納得したのかレーヴェもクェイガーに倣って資料を探し出す。
それが今行える最善策と判断したのだ。
一番は研究所の見取り図捜索。
なければ研究資料から読み取れる、エネルギー経路の流れだ。
他世界からの強制召喚には膨大な魔力が必要とされる。
最初のコメントを投稿しよう!