望まぬ過去 #2

7/35
前へ
/35ページ
次へ
それには円城と瓜二つの顔が載っていた。 出て行った円城を見送ってから、クェイガーは足元の資料を漁り出した。 「エンが行っちゃうよ?」 「行かせとけ行かせとけ」 クェイガーは左手を無造作に振りながら、資料をチェックして行く。 ざっとであるが、その全てに目を通しているとはレーヴェには思いもよらない事だ。 「奴らが探しているゲート・ブロックの意味すら分からないで、むやみに動き回るのは得策じゃない」 「ここは例の超人兵召喚計画とかをやっていた研究所だよね? 普通に考えてブロッキングよりは、ブロック(区画)と捉えるのが適切だと思うけど」 「まあ、十中八九そうだろうな。だが、奴らの口ぶりだと“一度”調べた事があったような口ぶりだった。それでルートが分からないと言う事は……」 「道が塞がっているか……破壊されている」 レーヴェの答えに、クェイガーは『正解』と回答してウインクを贈った。 闇雲に探すよりマップを探して、遠回りでも行けそうなルートを見つけだす。 それがクェイガーが出した答えだった。 納得したのかレーヴェもクェイガーに倣って資料を探し出す。 それが今行える最善策と判断したのだ。 一番は研究所の見取り図捜索。 なければ研究資料から読み取れる、エネルギー経路の流れだ。 他世界からの強制召喚には膨大な魔力が必要とされる。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加